金色のネコは海を泳ぐ
「でも、じゃあ……どうして私の薬が効いたんですか?」
『薬自体に効果はないの。あれはただの“キッカケ”』

ルーチェの問いに、シュゼットは少し笑った。

『ジュストの身体は最初からネコに変えてあった。精神をその箱へ入れたのがロラン様の暴動が起こったとき。そして、鍵は“真実の愛”よ。貴女がジュストを想ってくれる気持ちの大きさ』

だから……だんだんと、ジュストは人間でいられる時間が長くなっていったのだ。ルーチェの気持ちが膨らんで、ルーチェがそれを自覚して――

『ねぇ、ジュスト。貴方に会えなかったのは残念だけれど……こうして貴方がお嫁さんを見つけて、愛されて……私は今、とっても幸せよ』

その声が過ぎると、ジュストの身体の輝きが徐々に薄くなり始めた。

『ふふっ、そろそろ時間切れね。ルーチェ、ジュストと仲良くしてあげてね?ジュスト、貴方はもっと強くなってルーチェを迎えに来なくちゃダメよ』
「うん……母様、ありがとう」

ジュストが笑うと、パチッと光が弾けて消えた。

その光は空へと飛んでいったわけではないのに、しばらく2人とも青く澄んだ空を見上げていた。

「ルーチェ、あのね……」

ジュストがふと視線を下げてルーチェを見つめた。ルーチェもジュストをしっかりと瞳に映す。

「僕、本当はちょっと迷ってた。でも、母様が強くなってって言ったから……決めたよ」

そう言ったジュストの瞳は強く輝いて見えた。

そして――
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