金色のネコは海を泳ぐ
翌日、午前中の研修を終えたルーチェはお気に入りの海岸へと足を運んだ。いつもは海岸を散歩するけれど、今日はできるだけ遠くまで見たくて高台にやってきた。

景色を遮る物は何もない。

ルーチェの目の前に広がるのは、水色からだんだんと深みを増していく青色。太陽の光を受けて輝く海は写真と同じように……

「グラデーション……」

色を意識したことはあまりなかったように思う。ただ、水色に透き通る綺麗なものだと眺めるだけで。

ルーチェはマーレの海しか見たことがないけれど、きっと世界にはもっとたくさんの“青色”が海を鮮やかに染めていることだろう。

「そっか。オロ、私に海を見せたかったんだね」

だから昨日、写真集を持ち出したのだ。色の違いを教えるために。

「にゃぁん」
「え、待って、どこに行くの?」

ルーチェの足をしっぽでひと撫でして走り出し、振り返りもせずに行くオロを、ルーチェは慌てて追いかけた。

転ばないように坂道を駆け下りて、海岸へ。砂浜に残った小さな足跡を辿っていくと、オロは波打ち際に座ってルーチェを待っていた。

やっぱり、オロは金色に見える。
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