金色のネコは海を泳ぐ
「はう……」

ようやく自分の部屋に辿り着いたルーチェはドサッとベッドに倒れこんだ。顔を枕に押し付けて目を閉じる。

今のルーチェは、紙よりも薄っぺらいチャクラをただ大量に使って呪文治療を行っている状態なので消耗も激しい。傷が治りきるよりも早く、ルーチェの方が瀕死になる。

「にゃぁん」

そんなルーチェの背中をオロがポン、と叩いた。慰めてくれているのだろうか……

「オロ。私、ちゃんとクラドールになれると思う?」

ルーチェは寝返りを打って、ベッドに行儀良く座っているオロを見た。

「にゃうん」

そこで「にゃー」――YES――と鳴かないのはなぜなのか。ちょっとくらい、励ましの意味を込めて鳴いてくれてもいいではないか。

「もう!寝る!オロはベッドに入ってこないで!」

ルーチェはオロをベッドから降ろして布団を被った。

「にゃう!」

オロが抗議の声を上げたけれど、ルーチェは無視して目を瞑った。

疲れていたルーチェはすぐに意識が沈んでいく――が。
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