大人の関係
先に食事を終えた長野が、立ち上がって自分の食器をシンクに持って行く。
「美沙がまだ食べてるのに立ち上がって悪いけど、先、着替えてくるな」
「はい」
「洗い物は俺がするよ。だから支度しておいで」
「じゃあ、お願いします」
「慌てなくていいよ」


にこやかにリビングを出て行った。
長野は割と家事をする事を厭わない。
むしろ嬉しそうに手伝ってくれる。

美沙のアパートでは狭くて一緒に並んで料理はなかなか出来ないが、こんなに広いキッチンなら一緒に料理も楽しいだろう。

こんなところに住めたら。
と、二人での生活を想像して苦笑した。


長野との未来を思い描くなんて。


軽く頭を振り、最後のオレンジを口に放り込み、立ち上がった。

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