恋の訪れ
近くまで辿り着くと、先輩達はバーべキューの道具の用意をし、真理子たちは食材を並べてた。
「つか昴いつ来んだよ」
「さーな、あいつは絶対最後にノコノコと来やがる」
「マジせこー、絶対奢ってもらお」
その先輩達のウンザリとした声を聞きながら、あたしは思わず呆れた笑みが零れた。
ほんとに自由人すぎてビックリする。
「おーい、莉音。こっち手伝ってよ」
そう言って、手招きする真理子の近くまで足を進める。
「うん」
「莉音ってね、すごーく料理上手なの」
「いやーん、莉音ちゃんあたしの嫁になってぇー」
「ちょ、ユミちゃん!?」
ユミちゃんはふざけながらあたしの身体に抱き着いた所為で身体が反り返った。
「あ、そう言えば莉音ちゃんの飯上手かったよな」
「「ええっ!?」」
会話に乗ってきたタツキ先輩の言葉に皆の声がハモル。
しかも誰もが目を見開いてた。
「なんでお前が食ってんだよ」
「莉音ちゃん、こいつに食わせたの?」
サクヤ先輩がビックリした表情を見せる。
「作ったと言うか…真理子が面倒くさいって言うから仕方なく…」
「作ってんじゃん」
「まぁ、そうなんですけどね」
「そもそもコイツが料理作れないとかいいだすから。喫茶店してんのに何で作れねーんだっつー話」
タツキ先輩は呆れた様に真理子に視線を送りため息を吐き捨てる。
「うるさいなぁ。あたしがしてるんじゃなくて、ママがしてんの!」
ワイワイと騒ぐ皆を無視して、あたしはテキパキと作業を進める。
唯一出来るといったら料理だけかも知れない。
小さい頃からママの隣でやってたから料理だけは今でも好き。って言っても、バーベキューなんてほぼ切るだけじゃん。