かわいい王子VS鈍感な姫
ネット前に走り込んでスパイクをする練習。
俺はセッターだからみんなにボールをあげる。
みんなにいいスパイク練習をしてもらえるように…。
セッターの練習も兼ねて、俺はジャンプトスであげていた。
次は良平の番。
俺がジャンプしながらボールをあげ、良平がスパイクを打つ!
良平の打ったスパイクは力強くいいスパイクだった。
思わず見とれながらも着地する。
グキッ━
「…痛っ!」
全身に激痛が走った。
「…七海!?大丈夫か!?」
良平が言う。
「あぁ、大丈夫!」
これくらい大丈夫だと思い、立ち上がろうとした。
…え?
た…立てない…。
「七海!?立てないのか!?」
俺は首を縦に振った。
あまりにもびっくりしてしまい、声が出なかった。
…ねんざ…?