和風シンデレラ 〜煙管を掲げて〜
あたし 冷羅(れいら)は

滝檎にある遊郭の『月華屋(つきばなや)』という店で女郎としている。

いるとゆーか、ぶち込まれた。


そんでも滝檎一の花魁として
月華屋にいる。


ほとんどの客があたし狙い。

金を注いで注いで注ぎまくってまであたしに会いに来る。



あたしを店の外から拝むジジィもいりゃ

見れたことに興奮し泣きながら暴れる若人もいる。



女郎と言えば、金さえ渡せば何でも出来るような女ばかりだ。

金と男に目を眩ませた女しかいねえと
軽蔑してくる人も少なくない。


だがあたしらの仕事は
ただ寝ればいいってわけじゃない



ストレスだとか疲れだとか
そんな精神を癒やすっていう仕事もある。
この店にきて、
一瞬だけでもいいから現実の嫌な世界を忘れて
楽しい一時を過ごしてほしい


そんな意味もちゃんとあるんだ。


< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop