そしてキスからはじまった
社員旅行の日、夜の看板を出そうと表に出ると店の中を見る女の子がいた。

腰まである髪が綺麗な女の子・・店に入りたいのかなっと思って声をかけた。

はっとこちらを見た子は綺麗な子でサラが好きだったキャラクターに似ていた。

店から呼ばれた隙にいなくなってしまった。彼女の事が気になった。
だって綺麗な瞳から今にも涙があふれそうだったから。

旅行から帰った次の日、店宛に小切手が届いた。僕が知らない小切手・・
また麗美さんが勝手に切ったものだろうが振り出されもされずそのまま送り返された。

変だと思った僕は麗美さんに聞いた。店の小切手がそのまま送り返されたと

麗美さんは呆れたようにバカな子とつぶやいた。

紫音の彼女がいなくなった。あの彼女がそうだと思った。麗美さんが彼女に別れるように小切手を渡したんだ。

それから紫音は店を辞めて彼女を探すと言い出した。僕たちは麗美さんの命令でここに来るかもと引き留めた。
それかた紫音は暇があれば彼女を探していた。探しても見つからない彼女・・

紫音は落ち込んで夜バーになる店で酔っぱらうようになった。

麗美さんはきっとこの時をねらっていたんだろう・・僕にそっと薬のような包みを渡した。

これは睡眠薬かなっと思った。紫音が罠にはめられて取り返しのつかないことになる。

これ以上彼らを苦しめたくない。僕は紫音を裏切っている・・

彼女の居場所を僕は知っているから・・彼女は病院でどうしてだか暮らしていて

いつも僕のサラに優しくしてくれている。彼女が病院に来てからサラは彼女のそばにいつもいる。
彼女にはありがとうといつも感謝しているのに。



だから僕は包みの中身を麗美さんたちに分からないように捨てたんだ。


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