*お向かい彼氏*
ーピンポーン
「お邪魔しまぁす。」
シンとしたリビング。巧は部屋にいる。
数え切れないほどきたこの家も今日で最後。
「巧~?来たよ。」
「あぁ、いらっしゃい」
変わらない笑顔
何回救われたんだろう…。
勉強を止めて巧はベッドに座るあたしの隣にくる。
「急にどうした?」
最近、あんまり会ってなかったもんね。
優しく見ないで?
もう泣きそうだから…。
「…巧、背伸びたね。どれくらい?」
「は?182だけど…なんでだよ」
そっか。
中2のときは170無かったくらいなのに、そんな伸びたんだね。
「巧…もうお別れだよ。」