依存症なあたし様



雪をおぶって雪の家まで無言で歩く。


背中越しに伝わる雪の熱に安心しかけたが、雪の身体が密かに震えていた。


馨は俯いて俺たちの一歩後ろに下がって歩いていた。



ーーー長い沈黙の中、やっと雪の家に着いた。


インターホンを押すと、玄関の扉から雪の母親が出てきた。


雪の母親は雪の姿を見て、血相を変えて駆け寄ってきた。


『雪ッ?!』


雪を降ろすと、雪の母親は雪を強く抱きしめた。


『何がっ、雪に何があったのっ?!』


雪の母親は俺たちをギッと睨んだ。



< 186 / 195 >

この作品をシェア

pagetop