依存症なあたし様
突然、雪の母親は馨に掴みかかった。
馨は不意を突かれ、思わず顔をあげた。
ちょっ、えっ、やばくないかこれ?!
『あんたのせいなのにっ!何でウチの子がこんな酷い目に遭わなくちゃいけないの?!!』
ヒステリックな声をあげ、雪の母親は馨を揺さぶる。
『……ごめんなさい』
『謝ったってねえ!雪の傷は消えないのよっ!死んでたかもしれないのよ?!』
『…ごめっ、なさい』
『お前が暴行されれば良かったのにっ!!ふざけんなっ。お前なんて死んでしーーー』
「っこの度は!大事な娘さんをこのような目に遭わせてしまって本当に申し訳ございませんでした。俺と馨で一生かけて償います。
だからこれ以上馨に酷い言葉を浴びせないでください……」
泣くのを必死に堪えている馨に、容赦なく罵声を浴びさせる雪の母親を遮って頭を下げた。
聞かせてしまえば、馨は本当に死んでしまうかもしれない、と思ったから……