依存症なあたし様
『……一生償う?当たり前だ!』
そう言って雪の母親は馨を揺さぶるのをやめて、そのまま突き飛ばした。
突き飛ばされた馨はすでに身体に力が入っておらず、大きく尻餅をついた。
『もう二度とっ、雪の前に現れないでちょうだい!あんた達が雪にしたこと、忘れたりしたら許さない!』
雪の母親は、雪を担いでそのまま家へと入っていった。
「馨、立てる?」
本当は大丈夫?って聞きたかったけど、
『……』
…大丈夫な訳ないよね。
「馨、また明日雪とお母さんに謝りに行こう」
『………ん』
そうして俺らはお互い無言のまま家路に着いたんだけど。
次の日、そしてその次の日も雪は学校へ来なかった。
放課後部活を休んで雪の家に行っても、誰からも応答がなかった。
そして雪が休んで1週間経ったある日、担任から雪が転校したということが告げられた。