依存症なあたし様



必死にお父さんの体を揺さぶって起こそうとする。


起きるわけないって頭ではわかってる。


それでもお父さんの体を揺さぶる。


もしかしたら目を開けるんじゃないかって。


淡い期待を持って。


何故か視界がぼやける。


『――りょう!』


聞き覚えのある声が聞こえた。


声が聞こえても、あたしはお父さんの体を揺さぶり続ける。


『りょう…やめろ……大丈夫だ…大丈夫だからっ…』


気づけばアイツに抱きしめられていた。


アイツの初めて見せる苦しそうな顔。


「……おと…さっ……」

『……大丈夫っ…だからっ……』


わかってた。


あたしを抱きしめているアイツの体も、微かに震えていたこと。



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