瀬々悠の裏事情
未だ揉めている里歌と千秋に声を掛け、南雲に見送られながらチーム調停部を後にすると、瀬々はそのまま調停局を出た。
それから数分後。
戸松の中心街へと戻ると、時間を確認しがてら智昭に電話を掛ける。
「あ、先輩?一応終わりました………はい。思った以上で……え?白菜?水?何言ってんスか……」
経過報告をしたはずが、上司から返ってきた言葉は何故か関連性のない言葉だった。
思わず聞き返せば、どうやら夕食で足りない材料らしい。
「つまり買ってこいってことッスね。分かりやした。ポン酢はありやす?……ん、了解ッス」
一通りの話が終わり、電話を切るためにボタンを押す。
その瞬間、街の喧騒が自然と耳に入ってくる。
「白菜、しらたき、水菜、ポン酢っと。近くのスーパーで足りるッスかね」
電話越しで頼まれた物を一つずつ確認するように呟きながら、瀬々は戸松の街並みを歩いていった。
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