キミの風を感じて
「いや、別に本荘の悪口言ったわけじゃないから」
ポリッと高梨くんが鼻の頭をかいた。
「あ、へへ、こっちこそ何力説しちゃってんだか」
急に恥ずかしくなって、また下を向く。
「情緒不安定なのか?」
「え?」
「明日のリレーのことでいっぱいいっぱいだとか?」
「う……ん。そうみたい。わたし足手まといだからね」
なんて言ってごまかした。
リレーでいっぱいいっぱいなのも、足手まといなのも、それでヘコんでいて、もう逃げ出したいくらいなのも、ウソではないんだけど……。
でも今頭の中を占めてるのは、さっきの加島くんと本荘さんのことで
あれは高梨くんの言うとおりホントに告白のシーンだったのか、とか
どっちにしてもアドレス交換をしていたのは確かだ、とか
2週間も一緒にいたのに、わたしのアドレスなんて加島くんは訊きもしなかった、とか
いろんなことがグルグルとうずを巻いていた。