キミの風を感じて
グルグル、グルグル……。
何なんだろう、このどす黒い気持ちは?
迷子になっちゃったみたいな気持ちは?
胸が締めつけられるような気持ちは?
だけどやっぱり
加島くんのあんな顔は見たくなかったよ。
本荘さんに見せた照れくさそうな笑顔。
あんまり笑わない彼からこぼれた優しい表情。
それはわたしに向けられたものではなくて――。
い、いいなぁ、本荘さん……。
心の中でそうつぶやいたら、涙がぽろっとこぼれ落ちた。
「紗百さー、がんばってると思うぜ」
そのとき妙にのん気な声が耳に届いて、
見あげると高梨くんが空を仰いで、まぶしそうに目を細めていた。
急いで涙を拭く。
「真っ赤な顔して一生懸命走ってて、カワイかったけどなぁ」
「え? わたし?」
「うん。しかも結構速かった」