キミの風を感じて
「は?」と高梨くんは怪訝な声をもらす。
「結局何もがんばってなくて、何も持ってないのはわたしだけだよ。
自分では何にもしないで、ひとが輝いてるのを見て、うらやましがって憧れてるだけ」
こんなんだから加島くんに相手にされないんだ……。
「努力とか、ゆーなって」
「へ?」
「……カッコわり―じゃん」
なんて、高梨くんがモソモソ言うからおかしかった。
「でも、ギターがうまくなったのも指が硬くなったのも、真面目に努力して、たくさんたくさん練習したからでしょ?」
「ちげーし。ギターが好きだから四六時中いじってただーけ」
ダッセーなぁ、ってムッスリ答える高梨くん。
『努力』がNGワードだなんて、ヘンなの。プフ。