キミの風を感じて

それからその目がわたしのほうを向く。


「紗百はもう知らない子じゃないから……」


「ん。友だちだもんね!」


「え」


なぜか言葉につまった高梨くんは、そのまま数歩歩いてから言葉を発した。




「そうじゃなくて、もう即答で断ったりはしないって意味」


「あ、そーゆーシステム?」


「は?」


「友チョコなら気軽に幅広く受け付けちゃう感じなんだ?」


「…………」




またまた無言で数歩歩いてから高梨くんは言った。


「紗百って、天然だよな?」


「え、ときどき言われるけど」


「ビックリした。俺イジメられてんのかと思った」


「へ? わたしに?」


「うん。お前に」


高梨くんはマジな顔をしてこっちを見ている。




「あんな紗百、友チョコじゃなくて、俺がお前から欲しいのは……」


< 174 / 375 >

この作品をシェア

pagetop