キミの風を感じて
それからその目がわたしのほうを向く。
「紗百はもう知らない子じゃないから……」
「ん。友だちだもんね!」
「え」
なぜか言葉につまった高梨くんは、そのまま数歩歩いてから言葉を発した。
「そうじゃなくて、もう即答で断ったりはしないって意味」
「あ、そーゆーシステム?」
「は?」
「友チョコなら気軽に幅広く受け付けちゃう感じなんだ?」
「…………」
またまた無言で数歩歩いてから高梨くんは言った。
「紗百って、天然だよな?」
「え、ときどき言われるけど」
「ビックリした。俺イジメられてんのかと思った」
「へ? わたしに?」
「うん。お前に」
高梨くんはマジな顔をしてこっちを見ている。
「あんな紗百、友チョコじゃなくて、俺がお前から欲しいのは……」