闇夜に真紅の薔薇の咲く
『――ごめんなさい』
暗闇の先で泣く、彼女は一体誰なのか。
己の掌すら見えない漆黒の闇の中、見知らぬ少女のすすり泣く声だけが悲しく響き渡る。
『――ごめんなさい……っ』
――ねぇ。どうして泣いているの?
ぼんやりとした意識の中。
自分が起きているのか、眠っているのかさえ定かではない中で朔夜は淡い疑問を口にする。
けれど、その疑問は言葉になることはなく彼女の心の内で呟かれただけに終わった。
乾いた喉から零れる声は酷く掠れ、ためしに何かを発してみてもそれは吐息となって暗闇に溶ける。
せめて身体をおこそうと腹に力をいれても、鉛のように重たい身体はピクリともせず起き上がることすらできなかった。
――一体、自分の身体に何が起こったのか。
声を発するどころか指一本動かせないことに、朔夜は酷く困惑する。
(てか、私……確か空き教室で倒れたはずなのに……)
意識が戻る前のことを思い出し、朔夜は眉間に皺を寄せる。
倒れた場所とは明らかに違う光景と、ノアールとルイ……レオンがいないこと。
彼女が今こうして考えている間にも響く、聞きなれない少女の謝罪の声。
一通り情報を整理した朔夜は、ふぅとため息をついた。
間違いない。これは夢だ。
暗闇の先で泣く、彼女は一体誰なのか。
己の掌すら見えない漆黒の闇の中、見知らぬ少女のすすり泣く声だけが悲しく響き渡る。
『――ごめんなさい……っ』
――ねぇ。どうして泣いているの?
ぼんやりとした意識の中。
自分が起きているのか、眠っているのかさえ定かではない中で朔夜は淡い疑問を口にする。
けれど、その疑問は言葉になることはなく彼女の心の内で呟かれただけに終わった。
乾いた喉から零れる声は酷く掠れ、ためしに何かを発してみてもそれは吐息となって暗闇に溶ける。
せめて身体をおこそうと腹に力をいれても、鉛のように重たい身体はピクリともせず起き上がることすらできなかった。
――一体、自分の身体に何が起こったのか。
声を発するどころか指一本動かせないことに、朔夜は酷く困惑する。
(てか、私……確か空き教室で倒れたはずなのに……)
意識が戻る前のことを思い出し、朔夜は眉間に皺を寄せる。
倒れた場所とは明らかに違う光景と、ノアールとルイ……レオンがいないこと。
彼女が今こうして考えている間にも響く、聞きなれない少女の謝罪の声。
一通り情報を整理した朔夜は、ふぅとため息をついた。
間違いない。これは夢だ。