闇夜に真紅の薔薇の咲く
**。
真っ暗な部屋の中。
誰かがベッドに突っ伏して泣き崩れていた。
部屋の外からはうるさいほどの喧騒が響き、金属のぶつかりあうかん高い音が響く。
唯一ある小さな窓からは漆黒の空を橙の光が染め上げ、人々の絶望に満ちた悲鳴が隙間をすり抜けてベッドで泣き崩れる者の耳に入り込む。
「……姫様」
声からして、恐らく少年だろう。
遠慮がちなその声に“姫様”と呼ばれた泣き崩れていたものは声のした方を振り返る。
――一体いつから泣いていたのだろう。
涙でぬれた目元は腫れ、闇夜でも分かる紅い瞳は充血してしまっている。
彼女は少年の姿を認めると今にも消えてしまいそうな淡い笑みを浮かべると、窓の外を見つめ、何事かをつむぐ。
けれどその声は、朔夜には聞こえなかった。
ごう、と彼女の後ろから風がうなる。
いきなり背後で風の音が聞こえて目を見張り後ろを振り返ると、空間が裂け闇が口を開いており、えもいえぬ恐怖が彼女を襲う。
思わず逃げようと足を踏み出すが、見えない壁が先を阻み進むことが出来ない。
「――っ!!」
闇が、迫る。
朔夜は声にならない悲鳴を上げると、その闇の中に落ちて行った。
真っ暗な部屋の中。
誰かがベッドに突っ伏して泣き崩れていた。
部屋の外からはうるさいほどの喧騒が響き、金属のぶつかりあうかん高い音が響く。
唯一ある小さな窓からは漆黒の空を橙の光が染め上げ、人々の絶望に満ちた悲鳴が隙間をすり抜けてベッドで泣き崩れる者の耳に入り込む。
「……姫様」
声からして、恐らく少年だろう。
遠慮がちなその声に“姫様”と呼ばれた泣き崩れていたものは声のした方を振り返る。
――一体いつから泣いていたのだろう。
涙でぬれた目元は腫れ、闇夜でも分かる紅い瞳は充血してしまっている。
彼女は少年の姿を認めると今にも消えてしまいそうな淡い笑みを浮かべると、窓の外を見つめ、何事かをつむぐ。
けれどその声は、朔夜には聞こえなかった。
ごう、と彼女の後ろから風がうなる。
いきなり背後で風の音が聞こえて目を見張り後ろを振り返ると、空間が裂け闇が口を開いており、えもいえぬ恐怖が彼女を襲う。
思わず逃げようと足を踏み出すが、見えない壁が先を阻み進むことが出来ない。
「――っ!!」
闇が、迫る。
朔夜は声にならない悲鳴を上げると、その闇の中に落ちて行った。