闇夜に真紅の薔薇の咲く
毒々しいまでの夕焼けは相変わらずで、変わっていることと言えば東の空から闇が迫っていることぐらい。
朔夜は空から視線を外して歩みを進めながら、ふといつもなら考えもしないことを考えてみた。
学校から家まで、走れ十分程度だろう。
走ることは好きではないが、今から全力疾走すれば早く帰ることが出来るのではないか、と。
何故か、彼女は早く家に帰りたかった。
早く家に帰って、家族に会って、安心したかったのだ、
この夕焼けは朔夜にとってはとても不気味で、東の空から迫りくる闇はまるで不吉な何かの象徴のようで、彼女は知らずに恐怖を抱いていた。
恐怖のせいかかけ足になり、ついには駆けだし朔夜だが、とあることに気づいてふと足をとめて、あたりを見回す。
――人の気配が、あまりにも無さ過ぎる。
夕方と言っても、もう遅いと言っても、まだ真っ暗ではない。
以前、居残りで学校を出たのもこんな時間だったが、その時は誰かしらにすれ違ったのを覚えている。
けれど、今は――。
生ぬるい微風が彼女の頬を撫でた。
誰もいない公園のブランコが風にゆられ、キィと寂しげな音をたてる。
思わずそちらに視線をやった瞬間。
「――っ!?」
酷い耳鳴りが朔夜を襲った。
金属を引っ掻いたような、その耳障りな耳鳴りに思わず両耳をふさぐとその場にうずくまる。
立っていられない。頭ががんがんと痛み、きつく目を閉じると視界が突然、真っ白に染まった――。
朔夜は空から視線を外して歩みを進めながら、ふといつもなら考えもしないことを考えてみた。
学校から家まで、走れ十分程度だろう。
走ることは好きではないが、今から全力疾走すれば早く帰ることが出来るのではないか、と。
何故か、彼女は早く家に帰りたかった。
早く家に帰って、家族に会って、安心したかったのだ、
この夕焼けは朔夜にとってはとても不気味で、東の空から迫りくる闇はまるで不吉な何かの象徴のようで、彼女は知らずに恐怖を抱いていた。
恐怖のせいかかけ足になり、ついには駆けだし朔夜だが、とあることに気づいてふと足をとめて、あたりを見回す。
――人の気配が、あまりにも無さ過ぎる。
夕方と言っても、もう遅いと言っても、まだ真っ暗ではない。
以前、居残りで学校を出たのもこんな時間だったが、その時は誰かしらにすれ違ったのを覚えている。
けれど、今は――。
生ぬるい微風が彼女の頬を撫でた。
誰もいない公園のブランコが風にゆられ、キィと寂しげな音をたてる。
思わずそちらに視線をやった瞬間。
「――っ!?」
酷い耳鳴りが朔夜を襲った。
金属を引っ掻いたような、その耳障りな耳鳴りに思わず両耳をふさぐとその場にうずくまる。
立っていられない。頭ががんがんと痛み、きつく目を閉じると視界が突然、真っ白に染まった――。