闇夜に真紅の薔薇の咲く
気が遠くなるようなその数字に軽いめまいをおこして後ろに倒れかかる。






咄嗟のことで踏みとどまり、朔夜は重い息を吐きだした。







彼らは一体、何者なのだろうか。






人外の者と言うのは明らかだろう。






ふと隣に気配を感じてそちらを見て、朔夜は凍りついた。







なぜならば、今までそこにいなかった人物がそこにいたからだ。









「誰……?」

「おや。やっと見えるようになりましたか」

「意外とお早い」








黒づくめの彼らは、そう言って唯一見える唇を三日月形に歪めた。






その笑顔にぞっとする。






明らかに血の気のない蒼い唇を見て、朔夜は一歩後ずさると彼らはふっと闇の中にかききえた。






驚いて目を見開くと、後ろに気配を感じて振り返る。







「流石は姫。気配に敏感ですわね」

「……どうしてっ!」

「それは我らが闇の住人だからです。さぁ。姫。我らと共に闇の国へ――」






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