闇夜に真紅の薔薇の咲く
地響きがして何かが砕け散るような音が聞こえた。
均衡を保てなくなった彼女は後ろに倒れかけ、咄嗟のことにぎゅっと目を閉じると背後に暖かな感触がして目をぱちくりと瞬いた。
「大丈夫?」
優しげな声が聞こえて振り返ると、そこには金髪の優しげな青年が微笑んでおり思わずその笑顔に見惚れていると、愕然とした声が聞こえてそちらに視線をやる。
「お前……何故こんなところまでっ!」
「当たり前だろ? 国をまた争いで満たそうと望んでいる者たちが人間界に降りるのを、俺達が黙って見過ごすと思うか?」
「くそ……っ!」
先ほどの衝撃で彼らも立ってはいられなかったのだろう。
地面に座り込んだ男は悔しげに唇を歪め地面を殴りつける。
それを無感動な目で黒髪の青年は見下ろし、「覚悟は出来ているか」と淡々とした声音で言い放った。
男は訝しげに首をかしげ「覚悟?」と聞き返す。
「そうだ。ここで俺の鎌の餌になる覚悟は出来ているか? と、訊いている」
「――っ」
感情の読みとれない声音が紡いだあまりにも残酷な言葉に、朔夜は思わず息をのむ。
朔夜の身体を未だ支えていた金髪の青年は、苦笑を零した。
「相変わらず冷酷だねぇー……。我らが主は」
「うるさい。黙れよ。ルイ」
「はいはい。でも、ほどほどにしときなよ。あんまりするとこの子が脅えちゃう」
そう言って、金髪の青年――ルイは朔夜の頭にぽんっと手を置く。
いきなり自分のことを言われて戸惑っていると、黒髪の彼はこちらにちらりと一瞥をくれると深々とため息をついた。
「……もう、とっくに脅えてるだろ…」
「ま、そうだね」
均衡を保てなくなった彼女は後ろに倒れかけ、咄嗟のことにぎゅっと目を閉じると背後に暖かな感触がして目をぱちくりと瞬いた。
「大丈夫?」
優しげな声が聞こえて振り返ると、そこには金髪の優しげな青年が微笑んでおり思わずその笑顔に見惚れていると、愕然とした声が聞こえてそちらに視線をやる。
「お前……何故こんなところまでっ!」
「当たり前だろ? 国をまた争いで満たそうと望んでいる者たちが人間界に降りるのを、俺達が黙って見過ごすと思うか?」
「くそ……っ!」
先ほどの衝撃で彼らも立ってはいられなかったのだろう。
地面に座り込んだ男は悔しげに唇を歪め地面を殴りつける。
それを無感動な目で黒髪の青年は見下ろし、「覚悟は出来ているか」と淡々とした声音で言い放った。
男は訝しげに首をかしげ「覚悟?」と聞き返す。
「そうだ。ここで俺の鎌の餌になる覚悟は出来ているか? と、訊いている」
「――っ」
感情の読みとれない声音が紡いだあまりにも残酷な言葉に、朔夜は思わず息をのむ。
朔夜の身体を未だ支えていた金髪の青年は、苦笑を零した。
「相変わらず冷酷だねぇー……。我らが主は」
「うるさい。黙れよ。ルイ」
「はいはい。でも、ほどほどにしときなよ。あんまりするとこの子が脅えちゃう」
そう言って、金髪の青年――ルイは朔夜の頭にぽんっと手を置く。
いきなり自分のことを言われて戸惑っていると、黒髪の彼はこちらにちらりと一瞥をくれると深々とため息をついた。
「……もう、とっくに脅えてるだろ…」
「ま、そうだね」