闇夜に真紅の薔薇の咲く
普通ならあり得ないことの数々に、頭が混乱する。
法律も無視して武器を持ち歩く彼ら。
しかも、一人は大鎌と来た。あんなもの持ち歩いていれば必ず捕まるだろうに、何故彼は平然とこの場に持ってきているのだろうか。
見るからに重そうな、彼の身長をゆうに越した大鎌を軽々と持ち上げる黒髪の青年を一瞥して、次にいつも通りの笑みを浮かべて彼の肩に親しげに腕を回すルイを見る。
彼の片手に握られているのは白い拳銃。
淡い青の宝石が花のように飾られたそれは、シンプルながらに可愛らしくどこか彼にぴったりだ。
二人から視線をそらし、朔夜は闇を凝視すると全身に鳥肌が立つのを感じる。
彼らに殺された二人の男女。彼らは血を一滴も流さず、姿かたちを残さず綺麗に闇にかき消えた。
――彼らは、一体どこに行ったのだろう。
先ほどの出来事が蘇る。耳朶にこびりついた断末魔は消えることなく、今も彼女の脳内で何度もリピートされていた。
恐怖で身体が震えた。
彼らは一体何なのだろう。自分のことを“姫君”と呼んでいた彼らと、平然と人を手にかけた彼らは、一体――……。
恐怖で震える自分の身体を抱きしめて、朔夜は何事もなかったように会話する彼らを見ると、自然とその会話の内容が耳に入ってくる。
「――っていうか、何やってるの。ノアール」
「何が?」
「あの子、目を開けてたのに。何で目の前で殺しちゃったの?」
「……手が、滑ったんだ」
「よく滑る手だね」
「仕方ないだろ」
ばつが悪そうに視線をそらす黒髪の青年――ノアール。
法律も無視して武器を持ち歩く彼ら。
しかも、一人は大鎌と来た。あんなもの持ち歩いていれば必ず捕まるだろうに、何故彼は平然とこの場に持ってきているのだろうか。
見るからに重そうな、彼の身長をゆうに越した大鎌を軽々と持ち上げる黒髪の青年を一瞥して、次にいつも通りの笑みを浮かべて彼の肩に親しげに腕を回すルイを見る。
彼の片手に握られているのは白い拳銃。
淡い青の宝石が花のように飾られたそれは、シンプルながらに可愛らしくどこか彼にぴったりだ。
二人から視線をそらし、朔夜は闇を凝視すると全身に鳥肌が立つのを感じる。
彼らに殺された二人の男女。彼らは血を一滴も流さず、姿かたちを残さず綺麗に闇にかき消えた。
――彼らは、一体どこに行ったのだろう。
先ほどの出来事が蘇る。耳朶にこびりついた断末魔は消えることなく、今も彼女の脳内で何度もリピートされていた。
恐怖で身体が震えた。
彼らは一体何なのだろう。自分のことを“姫君”と呼んでいた彼らと、平然と人を手にかけた彼らは、一体――……。
恐怖で震える自分の身体を抱きしめて、朔夜は何事もなかったように会話する彼らを見ると、自然とその会話の内容が耳に入ってくる。
「――っていうか、何やってるの。ノアール」
「何が?」
「あの子、目を開けてたのに。何で目の前で殺しちゃったの?」
「……手が、滑ったんだ」
「よく滑る手だね」
「仕方ないだろ」
ばつが悪そうに視線をそらす黒髪の青年――ノアール。