闇夜に真紅の薔薇の咲く
彼の名をきいて、妙にしっくりきた。
漆黒の闇に似た黒髪に、冴え冴えと輝く湖面を連想させる青い瞳。
纏う服は黒ずくめ。けれど、不思議と恐怖や不気味さは感じられない。
その完璧なまでの容姿もあるのだろうが……むしろ似合っている。
思わず見惚れていると、視線に気づいたノアールが訝しげに眉をひそめた。
それを見てはっと我に返り、朔夜はがばりと頭を下げた。
視界の端っこに映った二人が驚いたように一歩身を引いていたのは、仕方がないことだ。
「――あ、ありがとうございました!」
「は?」
「その……助けて、くれて…」
ちらりと見上げると、ノアールは納得したようで「あぁ」と声をあげる。
淡々とした表情のままこちらに歩みを進めると、頭を下げていた朔夜の顎をくいっと摘まんで持ち上げた。
冷たい瞳が間近に迫り、無意識に一歩足を後退させると目ざとく気づいた彼は薄い笑みを唇にのせる。
月光の青白い光を浴びて、青い瞳が光を反射する。
どこか冷たく光るその瞳にぞっとして彼の手から逃げようと足を引くと、背中に硬い物が当たって息をのんだ。
冷たく光るその瞳に捉えられ、身動き一つできない。
彼は覗きこむように顔を更に近づけると、僅かに瞼を伏せる。
「大人しく俺に命を差し出せ。災厄の姫の生まれ変わりよ」
「……っ!」
いつの間にか消えていた大鎌が、彼の後ろで開かれた手の中に再び出現する。
漆黒の闇に似た黒髪に、冴え冴えと輝く湖面を連想させる青い瞳。
纏う服は黒ずくめ。けれど、不思議と恐怖や不気味さは感じられない。
その完璧なまでの容姿もあるのだろうが……むしろ似合っている。
思わず見惚れていると、視線に気づいたノアールが訝しげに眉をひそめた。
それを見てはっと我に返り、朔夜はがばりと頭を下げた。
視界の端っこに映った二人が驚いたように一歩身を引いていたのは、仕方がないことだ。
「――あ、ありがとうございました!」
「は?」
「その……助けて、くれて…」
ちらりと見上げると、ノアールは納得したようで「あぁ」と声をあげる。
淡々とした表情のままこちらに歩みを進めると、頭を下げていた朔夜の顎をくいっと摘まんで持ち上げた。
冷たい瞳が間近に迫り、無意識に一歩足を後退させると目ざとく気づいた彼は薄い笑みを唇にのせる。
月光の青白い光を浴びて、青い瞳が光を反射する。
どこか冷たく光るその瞳にぞっとして彼の手から逃げようと足を引くと、背中に硬い物が当たって息をのんだ。
冷たく光るその瞳に捉えられ、身動き一つできない。
彼は覗きこむように顔を更に近づけると、僅かに瞼を伏せる。
「大人しく俺に命を差し出せ。災厄の姫の生まれ変わりよ」
「……っ!」
いつの間にか消えていた大鎌が、彼の後ろで開かれた手の中に再び出現する。