闇夜に真紅の薔薇の咲く
意味が分からない。一体、自分が何をしたと言うのだ。






勝手に勘違いされて、見知らぬ場所に連れて来られて、よく分からない世界に連れて行かれそうになって……。







自分は、どちらかと言えば被害者じゃないのか。








ノアールは無表情のまま朔夜から距離を取り、鎌をふりあげる。






彼女はそれを怒りを込めた目で見つめると、すっと息を吸い込んだ。








「冗談じゃない!何であなたに大人しく命を差し出さないといけないのよ!!」







混乱と困惑と恐怖がないまぜになった怒りは、彼女の胸の中で暴れ狂う。






何故、自分が死ななければならないと言うのか。






今、鎌を振りおろそうとしていたノアールは彼女の怒鳴り声をきいてぴたりと動きを止める。






驚愕の色を宿した瞳をひたと見据えながら、彼女は尚も言葉をつむぐ。








「意味が分からない。今まで普通に高校生やってたのに、いきなり姫だとか闇の国だとか、災厄の姫とか! 私に命を差し出せどうこう言う前に、ちゃんと意味の分かるように説明してよっ!」









感情的に怒鳴ったせいで呼吸が荒い。






肩を上下させながら彼を睨むと、不意にその場に明らかに不似合いな笑い声が聞こえた。












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