闇夜に真紅の薔薇の咲く
「初めてだよ。殺されそうに怒った人間は。大抵はみんな怯えて泣き出しちゃって、大人しく殺されちゃうから」

「……」







笑顔で“殺される”などと口走るルイは少し不気味で、朔夜は僅かに眉をひそめた。






ここまでくれば恐怖などもう感じない。





自信ほど驚くほど冷静な彼女に、ルイは少し驚いたような笑みを向けて「とりあえず」と呟き夜空に輝く満月を見上げた。









「今日はもう帰ってもらおう。きっと、彼女の両親も心配してる。
説明は明日でも大丈夫でしょ? 奴らはまだアイツらが死んだことを気づいていないようだし……」

「あぁ。そうだな」

「じゃあ、朔夜ちゃん。また明日」

「は!? ちょっ……」








頭が真っ白になる。





瞼が急に重くなり、足の力が抜ける。




後ろに倒れかけた彼女を誰かが支えたような気がするが、それは誰だか分からない。





また意識を手放すのか、と漠然とそんなことを思いながら朔夜は思わず手をのばす。





しばらく宙を彷徨っていた彼女の手は、ひやりとした手に握られそれがどうしてか懐かしく、朔夜はゆっくりと目を閉じた。









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