闇夜に真紅の薔薇の咲く
教室に一歩足を踏み入れると、昨日同様浮足立ち皆が皆転校生の理想像を脳裏に思い描き話しに花を咲かせている。
近くで騒いでいた女子たちに視線をやり、机に頬杖をついた。
両隣りには既に大勢の女子たちが集まっていて彼女の近くだけ妙に騒がしい。
自分の机に鞄を置いた柚梨と陽雫は、朔夜の机の元まで来ると誰ともなしに深いため息をつく。
「……うるさい、ね」
「うん」
「……動物園にいるみたい」
「猿見に行くと大体こんな感じだよね」
ぽろっと出た本音に友人二人は目をむいて同時に朔夜に視線をやり、真顔の彼女を見るなりぷっと吹き出した。
「ちょっ、朔夜! 何真顔でそんなこと……ッ!」
「相当疲れてるんだね」
腹を抱えて笑う二人とは対照的に、無表情の朔夜には時差疲れが見え隠れする。
馴れているとは言え、やはり数時間の間視線を向けられていればかなりの疲労とストレスが溜まるもので、身体が妙に気だるい。
両耳から入ってくる女子たちの媚びた高い声は、鬱陶しい以外に何と言えば良いのだろう。
重たい息を吐きだして、朔夜は未だ笑い転げんばかりの柚梨と陽雫に視線をやって、くすっと笑みを零した。
身長差はほとんど無く、愛らしい顔立ちの二人。
そんな彼女たちが笑いあう姿はまさに、癒される、という言葉がぴったりだ。
突然笑いだした朔夜を見て、二人は顔を見合わせて目を丸くする。
不思議に思って小首をかしげた朔夜だったが、二人は急に笑みを深めると不意に陽雫が身を乗り出した。
「ねぇねぇ! 今日久しぶりに遊びに行かない?」
「わー。行きたいー!」
「あ、もちろん麗も一緒に。朔夜は今日何か用事あったりするの?」
「ううん。無いよ」
「じゃあ、決まり! 麗はどうせ暇だろうしあとで言おー」
近くで騒いでいた女子たちに視線をやり、机に頬杖をついた。
両隣りには既に大勢の女子たちが集まっていて彼女の近くだけ妙に騒がしい。
自分の机に鞄を置いた柚梨と陽雫は、朔夜の机の元まで来ると誰ともなしに深いため息をつく。
「……うるさい、ね」
「うん」
「……動物園にいるみたい」
「猿見に行くと大体こんな感じだよね」
ぽろっと出た本音に友人二人は目をむいて同時に朔夜に視線をやり、真顔の彼女を見るなりぷっと吹き出した。
「ちょっ、朔夜! 何真顔でそんなこと……ッ!」
「相当疲れてるんだね」
腹を抱えて笑う二人とは対照的に、無表情の朔夜には時差疲れが見え隠れする。
馴れているとは言え、やはり数時間の間視線を向けられていればかなりの疲労とストレスが溜まるもので、身体が妙に気だるい。
両耳から入ってくる女子たちの媚びた高い声は、鬱陶しい以外に何と言えば良いのだろう。
重たい息を吐きだして、朔夜は未だ笑い転げんばかりの柚梨と陽雫に視線をやって、くすっと笑みを零した。
身長差はほとんど無く、愛らしい顔立ちの二人。
そんな彼女たちが笑いあう姿はまさに、癒される、という言葉がぴったりだ。
突然笑いだした朔夜を見て、二人は顔を見合わせて目を丸くする。
不思議に思って小首をかしげた朔夜だったが、二人は急に笑みを深めると不意に陽雫が身を乗り出した。
「ねぇねぇ! 今日久しぶりに遊びに行かない?」
「わー。行きたいー!」
「あ、もちろん麗も一緒に。朔夜は今日何か用事あったりするの?」
「ううん。無いよ」
「じゃあ、決まり! 麗はどうせ暇だろうしあとで言おー」