闇夜に真紅の薔薇の咲く
指を組んで伸びをすると、陽雫は時計をちらりと見る。
つられて見ると、針はチャイムが鳴る一分前を指しておりそれぞれ自分の席に戻って行く二人に手を振りながら、朔夜は騒がしい隣の席を一瞥した。
両隣りに群がる女子たちは一向に自分の席やクラスに帰る気配を見せない。
恐らく、チャイムと同時に走って向かうのだろうが……。
それにしたってうるさい。
ため息をつくと、丁度チャイムが鳴り予想通り群がっていた女子たちは一斉に走り出す。
それを何気なく眺めていると、教室の扉が開き担任の麻生が姿を現した。
彼は教卓の前に立つと、うんざりしたようにため息をひとつつく。
「お前らは知っているだろうと思うが、またうちのクラスに転校生がやってきた。……女子、騒ぐなよ」
ぐるりと教室を見渡して釘をさすと、麻生は扉に向かって「入ってこい」と人差し指を曲げる。
室内は期待と好奇心でざわつき、騒がしい。
誰に話すでもなく扉をぼんやりと見つめていた朔夜は、扉が開き転校生が姿を現すなり目を瞠った。
「――初めまして。月影斗也(ツキカゲ トウヤ)です。よろしく」
「――!!」
にこりと柔らかな微笑をたたえる彼に、女子たちは黄色い悲鳴を上げる。
そのおかげで我に返った朔夜は、思わず転校生――斗也を凝視した。
黒い髪に少し目尻の下がった茶色の瞳。
透き通るような白い肌に、すらりとした手足。
高身長で、全てのパーツがそろった彼はルイとノアールに並ぶぐらいの美男子だ。
(あの人……朝、手振って来た人だ)
つられて見ると、針はチャイムが鳴る一分前を指しておりそれぞれ自分の席に戻って行く二人に手を振りながら、朔夜は騒がしい隣の席を一瞥した。
両隣りに群がる女子たちは一向に自分の席やクラスに帰る気配を見せない。
恐らく、チャイムと同時に走って向かうのだろうが……。
それにしたってうるさい。
ため息をつくと、丁度チャイムが鳴り予想通り群がっていた女子たちは一斉に走り出す。
それを何気なく眺めていると、教室の扉が開き担任の麻生が姿を現した。
彼は教卓の前に立つと、うんざりしたようにため息をひとつつく。
「お前らは知っているだろうと思うが、またうちのクラスに転校生がやってきた。……女子、騒ぐなよ」
ぐるりと教室を見渡して釘をさすと、麻生は扉に向かって「入ってこい」と人差し指を曲げる。
室内は期待と好奇心でざわつき、騒がしい。
誰に話すでもなく扉をぼんやりと見つめていた朔夜は、扉が開き転校生が姿を現すなり目を瞠った。
「――初めまして。月影斗也(ツキカゲ トウヤ)です。よろしく」
「――!!」
にこりと柔らかな微笑をたたえる彼に、女子たちは黄色い悲鳴を上げる。
そのおかげで我に返った朔夜は、思わず転校生――斗也を凝視した。
黒い髪に少し目尻の下がった茶色の瞳。
透き通るような白い肌に、すらりとした手足。
高身長で、全てのパーツがそろった彼はルイとノアールに並ぶぐらいの美男子だ。
(あの人……朝、手振って来た人だ)