闇夜に真紅の薔薇の咲く
昨夜の彼らの言葉は信じたけれど、それでもやっぱり心の奥底では彼らに恐怖している自分がいる。
彼らはいわば魔界から送られてきた刺客だ。
もしかすれば、あの言葉は嘘だったのかもしれない。巧みに言葉を操り、彼女が二人を信じ切ったところで殺すつもりなのかも。
いくつもの不吉な想像が思い浮かび、そのたびに朔夜はそれを打ち払うように頭を振る。
(記憶喪失になりたい……)
今、ベランダから飛び降りれば全て忘れられるだろうか。
教室があるのは二階。飛び降りたところで死にはしない。
本気でそんなことを考え出して、ちらりとベランダを一瞥したとき間近に青い瞳があり思わず朔夜はのけ反った。
「うわぁ! ――って、えぇ!? ちょっ……!」
あまりに勢いよくのけ反りすぎたのか、彼女の身体は後ろに倒れそうになり思わず手をのばすと、慌てたノアールが朔夜の腕を掴み引き上げる。
反動ですっぽりと彼の腕の中に収まった朔夜は、安堵の息をついた。
「大丈夫か?」
頭上から落ち着いた低い声が降ってくる。
上目遣いでノアールを見た朔夜は、無言でこくりと頷くと心配してくれていたのか彼はくしゃりと前髪をかきあげると深く息をついた。
彼らはいわば魔界から送られてきた刺客だ。
もしかすれば、あの言葉は嘘だったのかもしれない。巧みに言葉を操り、彼女が二人を信じ切ったところで殺すつもりなのかも。
いくつもの不吉な想像が思い浮かび、そのたびに朔夜はそれを打ち払うように頭を振る。
(記憶喪失になりたい……)
今、ベランダから飛び降りれば全て忘れられるだろうか。
教室があるのは二階。飛び降りたところで死にはしない。
本気でそんなことを考え出して、ちらりとベランダを一瞥したとき間近に青い瞳があり思わず朔夜はのけ反った。
「うわぁ! ――って、えぇ!? ちょっ……!」
あまりに勢いよくのけ反りすぎたのか、彼女の身体は後ろに倒れそうになり思わず手をのばすと、慌てたノアールが朔夜の腕を掴み引き上げる。
反動ですっぽりと彼の腕の中に収まった朔夜は、安堵の息をついた。
「大丈夫か?」
頭上から落ち着いた低い声が降ってくる。
上目遣いでノアールを見た朔夜は、無言でこくりと頷くと心配してくれていたのか彼はくしゃりと前髪をかきあげると深く息をついた。