ダブルスウィッチ
(え!?なんで?なにか間違った?)


うろたえるえみりのことなどお構いなしに、亮介は二階へ行ったまま戻ってこない。


もしかしたら朝は和食だったのかもしれないと思いながら、えみりは力なく肩を落とした。


目の前の食べてもらえなかった皿を見つめながら、フォークで思いきりレタスを突き刺す。


亮介の分だったはずのサラダを全部平らげると、スクランブルエッグとベーコンも自分の皿に移した。


(こうなったら二人分食べてやる!)


悔し紛れにガツガツと口に放り込んで、カフェオレで飲み下しているところに、ちょうど二階から降りてきた亮介が、えみりの姿を見て冷たい目で睨み付けた。


どうやら着替えていたらしい亮介は、スーツにネクタイをしめ、すでに出かける準備が整っている。


なにも言わずに玄関に向かう亮介を慌てて追いかけたえみりは、必死な面持ちで声をかけた。


「亮介さん、いってらっしゃい!

今日は何時ごろ帰ってくる?」


えみりにしてみれば、ごく普通の会話。


甘えた声でそう聞くのなんて、夫婦なら当たり前だと思ってた。


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