ダブルスウィッチ
「そうね?あなたの言うとおりだわ

こんな結婚生活、間違ってた……」


素直でいられるえみりが彩子は羨ましかった。


ずっと自分が言えずにいたことを、簡単に口にすることが出来るえみりが……


彩子の言葉に、ズズッと鼻を啜りながら顔をあげたえみりは、驚いたように目を見開いてる。


まさかの敗北宣言だ。


驚くのも無理はない。


「あなたになってみてわかったの

あなたといるときの亮介さんは、私の知らない顔をしてたわ?

私があの人にそうだったように、彼もきっと無理してたんだと思う

もともと私を好きで結婚した訳じゃないの

亮介さんが私と結婚したのは、全部仕事のため、出世するためだったんだから」


目を伏せ独り言のように彩子が呟くと、えみりはまた顔を歪ませる。


「でも!それでも10年も一緒に暮らして彼を支えてきたんですよね?

彼の出世のために必死に尽くして、おかげで彼は出世できたんじゃないんですか?

いくら始まりがそうだったからって、感謝こそしてもあんな態度取るべきじゃないと思います!」

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