ダブルスウィッチ
「絶対、メールします!」
キラキラした目で、勢いよくそう言ったえみりに、彼は苦笑しながらわかったと答えた。
じゃあまた、と颯爽と店を出ていく彼の後ろ姿を見送りながら、えみりの胸は高鳴っていた。
なんてスマートで紳士的な人なんだろう、と。
彼の姿が見えなくなるのを確認してから、えみりはテーブルに置いたままの名刺に視線を移す。
彼の名前が印刷された名刺には、えみりもよく知る外資系の会社の名前も載っていた。
「森野亮介……さん、か」
口に出してみると、親近感がわいてくる。
名刺を大切に財布にしまうと、えみりは自分がなにも頼んでいないことに気づいた。
そっと辺りを見回してから、おもむろに席を立つ。
それから素知らぬ顔で店を後にした。
いつ、連絡しようかと考えただけでドキドキしてくる。
来たときとは違った軽い足取りで、えみりは駅の方へと歩いていった。
キラキラした目で、勢いよくそう言ったえみりに、彼は苦笑しながらわかったと答えた。
じゃあまた、と颯爽と店を出ていく彼の後ろ姿を見送りながら、えみりの胸は高鳴っていた。
なんてスマートで紳士的な人なんだろう、と。
彼の姿が見えなくなるのを確認してから、えみりはテーブルに置いたままの名刺に視線を移す。
彼の名前が印刷された名刺には、えみりもよく知る外資系の会社の名前も載っていた。
「森野亮介……さん、か」
口に出してみると、親近感がわいてくる。
名刺を大切に財布にしまうと、えみりは自分がなにも頼んでいないことに気づいた。
そっと辺りを見回してから、おもむろに席を立つ。
それから素知らぬ顔で店を後にした。
いつ、連絡しようかと考えただけでドキドキしてくる。
来たときとは違った軽い足取りで、えみりは駅の方へと歩いていった。