ダブルスウィッチ
そんな出逢いから2週間――


あのとき、自分が名乗っていないのを思い出して、メールしてもいたずらだと思われるんじゃないかと少しだけ躊躇していた。


けれどもう一度会いたい気持ちの方が上回って、ドキドキしながら送信したのを思い出す。


実家を出て一人暮らしをしているえみりの部屋は、8畳ほどのフローリングにロフトがついているタイプだ。


ソファーベッドとローテーブルを置いて、ロフトはほとんど荷物置き場になっている。


テレビはパソコンで見ているから置いてないし、それ以外は観葉植物が幾つか置いてあるのと小さなローチェストに化粧品なんかを入れてある程度。


洋服は部屋のすみに置いたハンガーラックに大量にかかっていた。


わりと整理はされているから、物が多いわりにはゴチャゴチャした印象はない。


ソファーベッドを倒してベッドにしたそこにうつ伏せになりながら、彼への初メールを打つ。


内容は、ありがとうってことと、いつ会えますか?の2つだけ。


忙しそうな彼には、用件のみ伝えた方がいいと、えみりは判断したのだ。


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