イケメンSPに守られることになったんですが。
「おそらく峰岸和也は、お前に地下鉄を爆破したあとの姿を見られ、どうするか仲間に相談した。
すると誰かがそのお前をダシにして、つかまっている仲間を取り戻そうと計画を立てる。
そしてお前の小説を利用し、SCSの仕業と見せかけて自分たちの団体から警察の目をそらさせることを思いついた……
そういうわけだろう」
「み、峰岸和也?」
「お前の元彼の本名だ。そこまではわかっている」
篠田さんは無表情で言った。
和也……って、本名だったんだ……。
ずしんと胸が重くなる。
「その計画のために、この発信機を取り付けた。
おそらく、中園さんが寝ている間に部屋に忍び込んで……」
「……っ!」
「そのとき殺さなかったのは、おそらく一般人の前で派手にやらかすためだったんだろうな。
社会に影響を与えるのが、テロリストたちの仕事だから」
そんな……。
「しかし、お前のアパートに俺たちが入り、捜査の手が自分たちのすぐ近くまで迫ってきた。
だから焦って、人質を使うという短絡な計画に変更したんだろう。
無差別テロを用意したあとで脅迫状を出して……では、せっかく自分たちが用意した期限に間に合わなくなる」
最後の方の台詞は、耳に入って来なかった。
和也は本気で……私を道具にしか思っていないんだ……。