イケメンSPに守られることになったんですが。


「警護課は警護だけしてろ。

何かあったらこちらから連絡する」



明らかに何か悪いたくらみを考えている篠田さんの顔が、にやりと笑った。


怖……っ!



「おい、篠田……っ」



引きとめようとする亮司さんの目の前で、ドアがバタンと音を立てて閉まった。



「……あいつ……妙なことを考えなければいいが……」



ため息をつき、亮司さんが後ろにいた私の方を振り向く。


そして……。



「ふがっ!」


「あまり調子に乗らない方がいいですよ」



なぜか亮司さんは、私の鼻の頭をつまんで、そう言った。


意外と痛いんですけど!



「なにするんですか~」


「俺はあんなドSに嫁がせるために、あなたを育てたんじゃありません」



なんだそれ!お父さんかっ!



「あなたに育てられた覚えはありません!

そもそも調子に乗るって何の話ですか?」


「なにが『大好き』ですか。

あんなこと言われたあのドSが本気にして、本当に縛りにきたらどうするんです。あなた、縄のアトだらけになりますよ。

ちょっとかわいくなったからって、調子に乗っているとまたおかしな男に捕まります。

いいですか、あのドSだけはやめておきなさい!」



…………?


このひと、何を想像したんだろう……。







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