イケメンSPに守られることになったんですが。


がちゃんと内鍵がかけられた音がしたと思ったら、私はものすごい力で腕を引っ張られる。


な、な、なんでえぇぇ!?


もちろん私を引っ張るのは亮司さんで、彼らしからぬ乱暴さで、私はムリヤリソファに座らされた。


その前に亮司さんはひざをついて、私と視線の高さを合わせる。


思わぬ亮司さんの登場に、胸は正直にバクバクと飛び跳ねた。


見つかっちゃった……!



「ど、どうして……今から快気祝いじゃないんですか?」


「SPのカンが働いた。

なかなか病院に現れないから、きっと妙なことをたくらんでいると思ったんだ。

ずっと麻耶に会いたくて、待ってたのに……。

それに快気祝いって言っても、俺はまだ飲めないし、そんなの行ってる場合じゃないって、病院から直接こっちに来たんだ」



正解です!


すごいな、SPのカン……。


っていうか特殊班の扱いが雑じゃないですか……?



「麻耶」


「は、はい……」



見つめられただけで、気持ち悪いくらい何も言い返せなくなる私。


亮司さん、私に会うために、急いできてくれたんだ……。



「……黙って出て行くつもりだっただろ」


「あう……」


「さあ、怒らないから理由を説明してみなさい」



そう言っていても、亮司さんは明らかに怒った顔をしていた。


まるで、リュウさんみたいな。


その目に見つめられると、うまく言い訳ができない。


玄関にスーツケースを持って立っていたのだから、どんな言い訳をしたって通用しないだろうけど。



「……あの……」


「うん」


「……私……亮司さんが私を庇って死にかけたのが……」



怖かったの。


素直にそう言うと、たちまち涙が溢れてきた。


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