イケメンSPに守られることになったんですが。



「だから?」


「だから……」


「俺に恨まれてるとでも思ったか?」


「ちが、そうじゃなくて……」



そうじゃなくてね。


私はひとりでぐるぐる考えていたことを、ぽつりぽつりと話し出した。


あなたを失ったら、今の弱い私は壊れてしまうと。


話を聞いていた亮司さんは首をひねり、最後にひとこと。



「……思っていたよりすごい妄想癖だな。

そこまで考えるか?普通……」



呆れた顔で言われると、たしかにそんな気がする。



「で、でも、このままじゃダメだと思ったんだもん」


「ほう」


「私、亮司さんに依存すること目に見えてるもん。

今までだって、ずっとそうだったでしょ。

ひとりで生きていけるくらい、強くなりたいんだもん」


「…………」



強くなりたい。


亮司さんが傷ついても、動揺しないくらい。


むしろ、私が守ってあげられるくらい。


強くなりたい……。



「強く、なりたいの」



亮司さんの目を見ると、彼は……。


その黒い瞳を、細めて笑った。



「……バカだな。

それ以上強くなって、どうするんだ」


「へ……?

そんなことないもん。

私、薬飲まなきゃやってられないんだよ?」


「そんなの、強さとは関係ないだろ」



亮司さんはそう言うと、その長い手を伸ばす。


そうして私を、優しく包み込んだ。


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