イケメンSPに守られることになったんですが。


「麻耶は、もうじゅうぶん強いよ。

俺が保障する。

俺は麻耶から、たくさん強さをわけてもらった」



とくん、とくんと。


亮司さんの鼓動が、耳に届く。


そのリズムも、その声も、私の胸にすうっと染み渡っていく。


本当に?


私のどこが強いんだろう。


こんな土壇場になって逃げようとする私の、どこが……。


なかなか答えが出ない私の目を見つめて、亮司さんが優しく言った。




「もう、これ以上強くならなくていい。

弱くたっていい。依存だって、いくらでもすればいい。


……俺が一生かけて、キミを守るから」




「…………!」




息が止まるかと思うくらいの衝撃。


強くならなくていい。


弱くたっていい。


そんなこと、考えもしなかった。


強くならなきゃって、ずっと自分を追いつめていた……。


私だって、たとえ亮司さんが本当はすごく弱い人間だったとしても、この気持ちは変わらないのに。


亮司さんが最弱で泣き虫でも、私はきっと、彼を好きなままだろう。



「う、ええ……っ」


「また泣く」


「だって……ああもう、それいつか、私から言いたかったのに!」



ずっと一緒にいて。


私が、あなたを傷つけるものから、命をかけて守るから。



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