イケメンSPに守られることになったんですが。


「麻耶に説教されて、もうリョウに全てを押し付けて頼るのはやめようと思ってた。

自分で、怒りも欲望も制御して、生きていけるようになりたいと。

だけどすぐにそうできるはずもなくて……。

その翌日、キミを追いかけて撃たれた瞬間、何かが俺に吸収された。

たぶんあれは、俺たちの境界だったんだ」



……難しすぎて、よくわからないけど……。


とにかく、亮司さんが必死に自分の負の部分を受け入れようとして頑張ったから、リョウさんが消えたってこと……だよね。



「でもそれ、リョウさんは消えたんじゃなくて……」


「え?」


「やっと、一緒になれたんだね。

亮司さんとリョウさんはひとつになれたんだ……」



リョウさんは消えてしまったわけじゃない。


きっと、亮司さんの中にいる。


何かのきっかけで、突然顔を出したりするかもしれない。


思わず微笑むと、亮司さんはちょっと照れたような顔をした。



「気持ち悪いな……あのおせっかいとひとつに、なんて」


「おせっかい?」



リョウさんにそんなイメージないけど……。



「……それはまた、ゆっくり話すよ」


「ちょ……っ」



まだ聞きたいこと色々あるんですけど!


そんな私の意志とは裏腹に、亮司さんは行為を再開しようとする。


もうっ、やっぱりリョウさんがしっかり中にいるんだよ!間違いない!





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