イケメンSPに守られることになったんですが。
「高浜さーん」
「はい」
「小説更新しても良いですか?」
「ええと、すみません。
事件が解決するまでは、ネットを見るのは結構ですが、書き込みはしないでください。
そこから位置情報が漏れないとも限らないので」
「えーっ!!」
せっかく暇なのにー。
ぶううと頬を膨らませると、テーブルの上でスマホが鳴った。
驚いてそれをとると、画面には『ムーン出版・米田さん』と表示されていた。
書籍化でお世話になった担当さんだ。
25歳の、可愛い女の人だった。
「はいっ、もしもし────」
『麻耶さんですか?』
「そうです」
『お世話になっております。米田です』
いつものんびりしたその声は、少し疲れているように聞こえた。
『大変なことに、なってしまったようで』
「はい……すみません。
私本当に、同じ名前の団体がいるなんて知らなかったんです」
『そうですよね』