イケメンSPに守られることになったんですが。


「どうぞ」



見上げると、高浜さんがのんきに笑っていた。


カップには、ホテルの備え付けのティーバッグから出したのであろう緑茶が入っている。



「ネットからの書き込みは遠慮していただきますが、小説は書けるでしょう?

パソコンに保存しておいて、あとでコピペすればいいじゃないですか」


「……そうですね……」



カップを持つと、冷えた指先が温まっていく。


高浜さんが言ったことは、わかってる。


でも、小説サイトは公開して、定期的に更新してなんぼだ。


私なんか賞を取ったはいいけど、そんなに人気爆発ってわけじゃないから、新しいものを定期的に書いていかないと、すぐに見捨てられるんじゃないか。


そんな強迫観念がいつも頭の中にあって、私を悩ませる。



「……良かったら、二重人格をネタにしますか?」



高浜さんが、テーブルの前で言った。



「え……」


「昨日の夜中、警護しながら【六花の翼】を読みました。
面白かったです」


「嘘だぁ!!」


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