イケメンSPに守られることになったんですが。
ってか警護中にスマホぽちぽちしてたわけ?
あ、作品の中のテロリストを一応知っとかなきゃいけないのか。
仕事の一環ってわけだ。
「いいですよ、気を使わなくて」
私の小説は、女の人をターゲットにしているのであって、大人の男の人が読んで面白いはずがない。
しかし高浜さんは優しく笑ったまま、すらすらとこう言った。
「本当ですよ。
瑛がまりあに少しずつ心を開いていくのが良かったです。
琴に嫉妬するまりあが可愛かったな。
あ、こんなこと言うとロリコンかと思われますけど。
最後もどうなるのかと思いましたけど、後味のいい終わり方で良かったです」
「…………!!」
こ、この人……本当に読んだんだ!!あんなめちゃくちゃ長い、へっぽこラブファンタジーを!!
適当に流し読みしたのかもしれないけど、それでも一応、読んでくれたんだ……