イケメンSPに守られることになったんですが。


「座らないんですか?」


「警護中ですから」



高浜さんは腰を折って、メモ帳を私にさしだす。



「ここに、木を書いてください」


「木?」


「ぱっと思い浮かんだとおり、簡単にで結構です」



なんだそれ。


疑問に思いながらも、私は頭に浮かんだ木の絵を描いた。


りんごの実がなる、葉っぱがもこもこした普通の木。


オプションで、リスさんもつけておいた。


それを見て、高浜さんが小さく笑う。



「あ、寂しがり屋だ」


「え?」


「幹にぽっかり穴が空いているでしょう?

そこにリスがいる。

これは、誰かにそばにいてほしいって心情の表れです」


「えーっ、そうなんですか?」



これ、なに?心理テスト?


自分の描いた絵を見ていると、今度は高浜さんがメモ帳にペンを走らせる。



「これは有名な心理テストで、バウムテストと言うんですが、俺が最初に書いた木はこんなものでした」



高浜さんが描いた絵を見て、私は言葉を失った。


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