わたくし、政略結婚いたします!?
「……どうした?」
持っていたペンを置いて、レナルドは立ちあがるとスタスタと私の傍まで近づいてくる。
「……これ、メグと作ったの。昨日、迷惑を掛けたお詫びだから……」
皿に乗ったクッキーを差し出すと、レナルドはそのクッキーを見て、すぐに私に視線を移した。
その意外そうに私に向けられた視線に、私は両手で皿を差し出しながら、思わずその視線から逃げるように顔を背けてしまっていた。
「く、口に合うかはわからないけどっ!ていうか、庶民の味で申し訳ないけどっ」
そして気付けばまたこんな可愛くないことを言っている。
どうして、こう、もっと素直になれないんだろう。
「……お前は食べたのか?」
「え?ええ。さっき、メグと……」
答えると、レナルドは私の手からひょいっ、と皿を受け取って書斎のドアを開けた。