わたくし、政略結婚いたします!?
バタン、と勢いのままにドアが閉まって、ドアに背中をつけたままずるずると座り込む。
無意識のうちに片手を胸にあてていて。
その鼓動の速さを実感した。
「……なんなのよ、もう……」
思わず出た言葉は呟きよりも微かで。
だけど、戸惑いの色に溢れていた。
そっと、レナルドの唇が触れた首筋に触れる。
いきなりあんなことしてくるなんて、戸惑うに決まってる。
だけど。
それよりも私は、こんなにもドキドキしている自分にいちばん、戸惑っていた。