わたくし、政略結婚いたします!?


「……アリアか」


言いながら、レナルドはゆっくり上半身を起こした。



「起きて大丈夫?あなた倒れたのよ?……水分、摂らないと」


テーブルの上に乗った水差しを取るために椅子から立ち上がろうしたが、急に布団から伸びてきたレナルドの手が、弱々しく私の手首をつかんでそれを阻んだ。


……掌、あつい……。


「……水、取るから、離して…?」


「アリア」


「……なに?他に欲しいものでもあった?」


「アリア」



掠れた甘い声で名前を呼ぶから、無理に手を振り払うこともできなくて、途方に暮れた。


「……レナルド?」


「こっち、来い」


「え?」


私の手を掴む手に、微かに力がいれられる。

拒むこともできずに、私は椅子から身を乗り出して、引かれるままに近づく。

レナルドは一旦私の手首から手を離して、掌をベッドについた私の手の甲に手を重ねると、上からギュッと握った。


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