わたくし、政略結婚いたします!?
熱、あるのに。
こんなことして、余計悪化したらいけないのに。
なのに。
次第に深くなっていくキスに、私は。
ただただ、翻弄されるしかなかった。
「!」
一瞬、身体が揺れる。
さすがにこれ以上は怖くて拒んでいたはずなのに、あっさり歯列を割って入りこんできた舌に驚いて。
「ん……っ」
怖くて、どうしたらいいのか分からなくて。
だけど、その熱に、甘さに、くらくらして。
逃げ回る舌は簡単にとらえられて、絡まる。
身体中が熱くて、ゾクゾクして、敏感になっているような感覚がした。