わたくし、政略結婚いたします!?
そんな私に、レナルドはなぜか溜息をついて。
「……まぁ、いい。さっさと着替えて来い」
と言ってドアを開け、私の頭をポンと軽くたたいた。
レナルドの言葉の意味はよく分からなかったけれど、言われた通りとりあえず部屋に戻ることにする。
まだ朝も早いのに、食堂からいい匂いが漂ってきて、思わずお腹を押さえた。
朝ごはん、なにかしら。
なんて他愛のないことを考えられることが。
レナルドと過ごせる朝が。
とても、幸せだった。
昨日までは考えられなかった突然の幸せ。
好きな人に、好きになってもらえる幸せ。
温かい気持ちでいられる幸せ。
……大事に、しよう。
誰もが掴めるものじゃないって知ってるから。
儚くて、奇跡に近いものだって、痛いほど、分かってるから。
レナルドと、そしてこの屋敷の人たちと。
まだまだ未熟な私だけど。
頑張っていこうと、思った。