わたくし、政略結婚いたします!?
私の考えていることを知ってか、メグは自嘲気味に笑う。
「……幸せが壊れるのなんか一瞬なんだって、思い知らされましたよ」
「……メグ」
「アリア様は、この国で殺人をおかした者がどんな罪に問われるのか、知っていますか?」
努めて明るい声を出している、それが痛いほどに伝わってくるメグの言葉に私は何も言えなかった。
殺人は、この国ではほぼ例外なく命をもって償うことになっている。
どんな動機があっても、それに裁く側である王が耳を貸すことはほとんどない。
ひとつの例外は、後の世に影響するから。
「父は無罪だったと、私は今でも信じています。でも、世間的には違う。罪人は裁かれなければならない。それが、世の中の秩序を守る術ですから。
たとえ冤罪でも、王は民に自分の権力と支配力を誇示するためには誰か犯人を用意しなければならないんです」
そんな薄汚れた世界で私たちは生きているんだと、改めて実感した。
メグの、淡々とした語り口調にはきっと私には分からないたくさんの苦しみや絶望が隠れているはずで。
だけど、それに簡単に触れちゃいけない気がして。
私は、ただ黙ってメグの話に耳を傾けるしかなかった。